7/22から公開中の映画、「スーパーヒーロー戦記」を見てきたので、その感想を書いていこうと思います。
スーパーヒーロー戦記 主人公視点での感想
感想その1 神山飛羽真視点
飛羽真視点で見ると、「ゼンカイジャー世界→八犬伝の世界→融合された世界→現実世界→スーパー戦記世界」という流れで、途中までは他のヒーローと同じく世界の融合に巻き込まれるだけでした。
しかし、途中でアスモデウスが描いたシナリオの通りに動いていたことに気づき、同時にそのシナリオを変えれるのが章太郎と飛羽真の2人だという事に気がつきます。
その結果、悪役だけの世界が「スーパーヒーロー戦記の世界」に生まれ変わり逆転の狼煙をあげることが出来ました。
この作品で重要なのが、物語の最初に飛羽真がスランプにはまっていたという事ですよね。
「セイバーとして世界を守る戦いをしているのに、誰かを絶望させる話なんて書けない」、その悩みがあったからこそ「ヒーローを描きたいのに悪役の匂いが消えない」という章太郎の悩みに「書きたいのがヒーローではなく人間そのものだから」という答えをぶつけることができたのでしょう。
2人の悩みはどちらも「描きたい物が矛盾している」という事ですから、同じ悩みにぶつからないと気がつくことが出来ないんですよね。
そして、飛羽真は章太郎の悩みを解決するとともに逆転するための答えも探し出していました。
それこそがこの作品のタイトルでもある「スーパーヒーロー戦記」という物語を生み出すというもの。
バットエンドで終わる物語の続編を書くことでアスモデウスの思惑から外れるという発想は、小説家である飛羽真だからこそ生まれた発想であり、彼だからこそ行えた作戦だと思いました。
感想その2 五色田介人視点
介人視点だと「セイバーの世界→西遊記の世界→融合した世界→スーパーヒーロー戦記の世界」という形で物語が進むため、現行作品の主人公なのに今回の問題の解決にはあまり関与していないです。
というのも、今回の物語は仮面ライダーセイバーの世界が物語の中心のため、立ち位置としてはゲストキャラに近いんですよね。
その為、扱いとしても「他の世界の主人公」くらいにしかできなかったのかなという感じがします。
ただ、彼の場合あえて物語の中枢に巻き込まなかった可能性もありますよね。
ゼンカイジャー本編の介人を見ると分かるんですが、彼って誰も思い付かないような閃きをすることが多いんですよ。
その為、章太郎や飛羽真と関わらせると早めに問題が解決する可能性があるので、物語の中枢に関わらせない様にしたのかなと思いました。
結果的にセイバー主導の物語という感じにはなってしまいましたが、最後には仮面ライダーセイバーと融合(?)して目立ちはしたので、いい感じのポジションに収まったのかなと思います。
感想その3 章太郎視点
章太郎視点の場合、主な行動こそ飛羽真と同じなんですが、その前にアスモデウスと関わっていました。
その内容こそ分かりませんが、アスモデウスの作戦的に「ヒーローに出会わせてやる」とか言ってセイバーの世界に送り込んだ感じがします。
その結果、章太郎は自分では思いつけないようなヒーロー達と出逢うわけですが、そのヒーロー達は彼の描きたいヒーローとは違うタイプの戦士達のため、せっかく描いた絵もビリビリに割いてしまいます。
そして、現実世界でヒーローとは異なる作品を書こうとするわけですが、飛羽真の力説で再び創作意欲が湧き、現実と同じく仮面ライダーとゴレンジャーを生み出す。
その結果、仮面ライダーとゴレンジャーから続くヒーロー達が再び生まれ、アスモデウスの野望を打ち砕く事ができました。
ここで疑問なのが、何故章太郎が作らなかったはずのヒーロー達が消えたのか。
ライダーだけ消えたなら原作者が消したからからで済むんですけど、八手三郎原作の作品まで消されてるのでその線はなさそうなんですよね。
そこで、飛羽真が書いたスーパーヒーロー戦記の例も考えると、「現実世界の住人である章太郎がヒーローを描く→彼が原作者扱いになる→原作者が絵を消したので消えた」という流れで消えたではないかと予想します。
スーパーヒーロー戦記 戦闘シーン感想
今回は戦闘シーンが細かく入っていて、子供が見ても飽きないようになっていましたね。
まずは八犬伝世界ですが、犬士8人VSセイバーワルド+雑魚敵連合ということで戦闘シーンがすごく良かったです。
デカマスター・シンケングリーン・キラメイブルー、そしてセイバーといずれも剣技に優れた戦士が室町時代の街中で戦うため、思わず見惚れてしまいました。
ゼロワンやキュウレン組、ゼンカイジュランは、森に入ってから戦闘に参入したので、私的にはそこまで印象に残りませんでした。
ただ、飛電アルトの登場シーンやゼロワンとセイバーの共闘など見どころとなるシーンも多数あり、飽きが来ない感じにはなっていましたね。
それと、予告で疑問だったワシピンクのキューソードも、章太郎が書いて生まれたものという理由がありましたが、八犬士に加入させるために使わせただけにしか見えず納得は出来ませんでした。
西遊記の世界は、イマジン組とジオウ、そしてゼンカイザーがわちゃわちゃしていてすごく面白かったです。
倫太郎も彼らに振り回されはしながらも、戦闘にはしっかり参加しているので(しかもキングライオン大戦記)見応えがありました。
個人的に好きだったのが、電王・ブレイズ・ゼンカイザーが背中合わせで各々の遠距離技を放つところですね。
上から見下ろすカットだったこともあり、迫力がありました。
また、グランドジオウも召喚しながら暴れたため、後から来たにも関わらずインパクトがありました。
グランドジオウのおかげでヒーローの人数も一時的に八犬伝の世界と同じくらいに増えたため、退屈になることはありませんでしたね。
オーマジオウも出てきたので一緒に戦って欲しかった所ですが、そうすると問題自体も解決するためか不参加でした。
そして終盤の採掘場のシーン、ヒーロー大戦系ならお約束の場面ですが今回は同系統のヒーロー同士で共闘していました。(連携を取っていたわけではないので、正確には共闘ではないかも?)
私が覚えている範囲だと、
- 忍者ヒーロー
- 恐竜戦士
- 車系戦士+サーベラ
- 高速移動&時間系戦士
- 剣士戦士
- ドラゴン系戦士
で別れていた気がしますが、もしかしたら他にも居たかもしれません。
今回の大戦パート、結構賛否が分かれていますが、個人的にはこのスタイルで良かったなという感じでした。
スーパーヒーロー大戦で慣れているからと言うのもありますが、それ以上に各戦隊・各ライダーを紹介するにはこの方法がある意味一番最適だと思うんですよね。
この映画を見る前に「機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集会!!」を見たんですが、紹介パートとして各戦隊のレッドの名乗りが入っているにも関わらず途中から早回しにされていて、戦闘シーンも見せてもらえなかったので、オールレッドを出す必要があまり感じられませんでした。
そう考えると、今回の場合は紹介パートと戦闘パートを一緒にすることで、ヒーローを覚えてもらえるようにしたのでは無いでしょうか。
似てない声はフォロー出来ませんが、ロゴが一緒に映っていたのはそう言う意図があったのだと思います。
ただ、ロゴを貼る位置だけはもう少し考えて欲しかったですね。
字幕の位置にロゴを置くだけ画面が見やすくなりそうですし、視点をヒーローに集中できますから。
今回の映画は「まともになったスーパーヒーロー大戦」と言う感じがすごくありました。
戦隊とライダーが誰1人敵対せずに手を取り合う、当たり前のはずの光景なんですがすごく新鮮に感じます。
戦隊とライダーの共闘映画はこれで最後だと思いますが、最後にいい作品が見れたので良かったです。